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今回は、メルマガ・ステップメールASPの「オートビズ」を運営されているビズクリエイトの経営者、渡辺哲也氏にインタビューを行いました。インタビューは全5回でお送りいたします。

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お読みいただけます。

「人をどう育てていくか、何を伝えていくか」エステ事業は心の修行でした。

第4回では、「ただ、する」という考え方を伺いました。渡辺さんがいま、一番無心に取り組んでいることは何ですか?

オートビズは社員のみんなにたくさんの部分を任せられるようになってきているので、他の個人的に取り組んでいることをお話ししますね。実は、いまエステの会社の経営をしていて(笑)

セルライト除去専門サロンをやっています。元々僕がオーナーで、別に社長を立てていたのですが、今では僕が引き継いで、社長になっています。

 

それはびっくりしました!やっぱり事業のスタートというのは大変でしたか?

最初はもうぼろぼろでしたよ。

20代前半くらいの女の子、未経験の子を採用しているんですね。こう言っちゃなんですけど、スタッフとして行き届いていなかった。

フリーターとか元キャバ嬢だった子達が美容に興味があって、美容の仕事がしたいんです、みたいな感じで入ってくる。

そういう子たちを教育していくんですけど、ビズクリエイトとはまったく人種がちがうんで、同じようにマネジメントしても通用しないんですよ。

そもそも会話が成立しないし、ビズクリエイトでは起きないような、想定し得ない問題が起こる(笑)

若い女の子の中で起こるトラブルも、仕事に対してのトラブルも、お客様に対してのトラブルも、いっぱい起きちゃう。

 

だから、人とどう接して、人をどうやって育てていくか、っていうのを学ぶ修行の場ですよね。

まさに、心の在り方の実践の場というか。「リーダーとしてどうありたいか」というのを、ほんとに修行させてもらえてます。

 

最初は赤字垂れ流しみたいな感じでやっていたので、マネジメントを色々変えていったんですよ。

駆け出しのフランチャイズなんですけど、今は全国70店舗くらいに急拡大してる。その中でランキングが出るんです。

店舗ごとの売り上げが発表されるから、自分のお店が全店舗の中でどれくらいかが分かります。

その順位が低いと、やっぱり悔しいじゃないですか。

店長も結構頑張ってくれてて。店長と僕とで「どうしたらランキングを上げられるかなあ」と頭を捻って、なんとか成長させてきました。この間は本契約っていう部門で全国1位だったんです。他の部門でも3位とか10位くらいで健闘してます。

 

相手の可能性を信じれば何かが変わる

実際にはどんなことをされたんですか?

ほんと色々やってるんですけど、「日本一になる」と言い続けているのが大きいと思います。

分かり易いメッセージじゃないと理解できないじゃないですか。売り上げの日本一っていうよりも、日本一のお店をつくりたい。

こういうと、みんな「はあ?」「何言ってんの、このおっさん」「ちょっと言ってる意味わかりません」ってリアクションが返ってきます(笑)。

 

「まだ、わかんなくていい」って言いながら、何度も繰り返し伝えるんですよ。

「日本一のお店」「日本一のサービス」「全国から見学に来るようなお店をつくりたい」「とりあえず見学行ってこいって言われるようなお店」と。

たまに開店前に行って、ミーティングにちょっと参加したりもします。このときは、あえて姑みたいにするんですよ(笑)

「あれ、なんかちょっと日本一っぽくない感じがするけど」「この辺って、日本一のお店だったらどういう風になってたらいいんだろうね」「日本一のお店のスタッフだったら、オーナーが来たとき、どう出迎えたらいいんだろうね」とか。

 

メッセージがわかりやすいですね。

スタッフのモットーも「笑顔、元気、可愛げ」といって、子犬みたいな接客スタイルなんですけど。

キャピキャピした子、笑顔が良くて元気があって可愛げがある子に、「日本一元気で、日本一笑顔で、日本一可愛げがあって日本一の子犬になれ」と言う。何回も言っていると。「よくわかんないけどそういうことなんだろうな」となる。

このサロンでは、セルライトっていう脂肪の塊を落とす施術をするんです。そういうサロンだから、「別にダイエットのことは勉強しなくていい。セルライトのことだけ自信満々で、後はお客さんに教えてもらうくらいでいい」というふうに接客スタイルも変えました。

その方がお互い楽しいじゃないですか。その代わり「セルライトのことは任せてください!セルライト潰し専門店ですから!」と。

それから外れたことは知らなくても、全然問題ない。「大丈夫だ、君たちは子犬になりきれば絶対かわいがってもらえる」なんて。

 

ただ、とにかく「信じて、一緒に頑張りましょう」というメッセージをお客さんに発信すること、これは徹底して伝えています。

お客さんは変わりたいと思って来てるわけじゃないですか。

プロポーションが素敵になって、来たい服を着て外に出るようになるとか、理想の彼氏ができるとか。人生が変わりますよね。

だから、そういう人に「一緒に頑張りましょう!」「私がついてます!」って、行動を起こさせてあげよう。

君らはセルライトを潰すのが仕事じゃないんだよ。人生を変える仕事なんだよ、と伝えていると、スタッフたちも少しずつやる気になってくる。

 

そうすると、みんなで考えてやるようになる。人の可能性ってわかんないんです。

大事なのは信じてあげることです。このことが、なんとなく確信になってきました。

特別なことはないんだと思います。難しいことはやってないんですよ。

「よくそんなに色々な事業を手がけますね」とか言われるんですけれども。エステとか、未だによくわかってないですからね。業界のこととか(笑)

そんなに難しいことをしなくても、意外とビジネスって変えていけるんだなあっていうのが、僕の感覚。

「すごいですねえ」って言われるけど、全然すごくない。他の人の方がもっとすごいことやってるし。

 

結局、「人」です。

全5回の記事を通して、渡辺さんが大事にしている価値観がなんとなく見えてきたように思います。

長期的に事業を繁栄させていくには、結局「人」ですよ。

人を信じられるか、その人の可能性を信じられるかどうか。諦めずに一緒にやり続けられるか。こういうところに行き着く気がします。

 

先のことってわかんないじゃないですか。信じれば信じる度に辞められてしまうとかってよく起きることで。

やっぱり裏切られたって感覚になり、「もう信じねえ」と思ったこともありました。

だけど、ビズクリエイトで、ずっと「信じる」っていうことをやってきましたし、今回のサロン経営でもその修行の場が与えられて、少しずつですが確信に近づいてきたんだと思います。

 

哲学が固まりつつある、ということですか。

はい。ビズクリエイトでは「長期繁栄ビジネス」という言葉を使っているんですけど、そのうえで何より大事なのは「人」です。

システムとか仕組みとかも必要だけど、それをやるのは人ですから。人との接し方、人の育て方。

世の中には、使い捨てみたいに雇っては辞められてを繰り返す方法だってあります。それを別に否定はしないですけど、僕は違うやり方を模索したい。

根本的なモチベーション・やりがいのマネジメント。

 

マネジメントをする上で、何を重視されていますか?

モチベーションとパフォーマンスですね。

モチベーションというのはその人が勝手に起こすものであって、誰かに与えられるものじゃないと思ってるんですよ。

その源泉がなんなのか、ということをすごく気にかけるようになりました。

 

ビズクリエイトを立ち上げたころの僕は、モチベーションの源は、どんな人でもお金だと思ってたんですよ。

だから色々評価制度をやって、みんなが一円でも多く稼げるようにしていこうとしていました。

ところが、改めて社員の話をよく聞いてみたら、「別にそういうのはいいです」みたいな感じなんですよ。

売り上げ目標とか、利益目標とか、数値的な目標を掲げて「今期はいくらやるぞー」と言っても、全然みんな乗ってこない。「なんで!?」と思うじゃないですか。

「売り上げですか…。いや、大事なのはわかりますけど、それは社長が考えてればいいんじゃないですか?」「申し訳ないけどそういう目標はあまりワクワクしません」
直接こうは言われてないけど、こういうニュアンス(笑)

あるとき、直接聞いてみたんです。「みんなのモチベーションって何?」と。そしたら「会社で出前をとってくれる日がある」とか、「バーベキューが楽しい」とか、そういうのが出てきたんです。

「まじかよ!うそだろ!?」みたいな。正直「やっすいなあ」と思うんですけど、でもそれが実際にみんなのモチベーションになっている。

「モチベーションってなんだろうなあ」と改めて考えました。

他の意見で出てきた「単純にお客様からいただく言葉が嬉しい」とか、「お客様との関わりが温かい」とか、そういうところから少しずつ考えがまとまってきたんです。

 

僕は経営者だし、お金のことがあるから。みんなの収入が増えた方がいいと思って、みんなが金銭的に豊かになることを考えるじゃないですか。

だけど、それは現時点でそこそこ満たされているようで。そこの欲ってあんまりないみたい。

社外や社内でのハートフルなコミュニケーションだったり、新しいことにどんどん取り組んでいっている感じだったり。ワクワクする何かがあることの方が、みんなにとってモチベーションになってるんですね。

そう思うと、モチベーションを僕がわざわざ与えるっていうより、みんなが勝手にそれを作り出していて、勝手にパフォーマンスが上がっていくような環境を用意してあげるのが、僕の役割だと思ったんです。

 

やりがいが自然に生まれる場をつくる、という訳ですね。

飴と鞭みたいなことはしない。外的要因をモチベーションの源泉にしない、させない。

内側からこんこんと湧き出て来るようなものでないと、たぶん続かないじゃないですか。

そこを気にかけてマネジメントしたらうまくいったんですよ。

モチベーションを長続きさせたいなら、内側から湧き水のように溢れ出てくるように、そこが長期反映にもなるかな、と思っています。

さらけ出したら共感が生まれる

「ただする」の話にも戻ってきましたね。

メルマガだって、自分がしたいと思ったから「ただする」それだけでいいじゃないですか。

「メルマガを送る立場にある人は先生じゃなきゃダメ、権威でなければならない」という思い込みを持っている人がいます。

けれども、権威なんて星の数ほどありますし、そんな枠に当てはめる必要なんてないですよ。

駆け出しなんだったら、駆け出しなりの何かがあると思うし。

青臭さや一生懸命さや誠実さ、奮闘している姿に人は共感するだろうし、応援が集まるかもしれない。「教えてください!!」のノリでもいい。

もちろん「これだけは負けない」っていうポイントだけは、ないとダメですけどね。でも、オールマイティでなくていい。

未熟なところは未熟なままに、ちゃんとさらけ出せてる人の方が、共感できるじゃん、と思います。

 

僕らはそうやって弱みをどんどん出して、色々と転換させているからここまでやれている気がします。

虚勢を張ってメッキ重ねまくって大きく見せて、っていうのがうまくいかなかったから、僕らはそれができるようになったんですよね。

教えを乞うのは全然恥ずかしいことじゃないし。

「権威はこう言ってるけど、自分の考えはちょっと違うなあ」と思っていても、言いづらいじゃないですか。自分がマイノリティになれないというか。

でもそれだって別にいいじゃん。そう思っちゃってるんだからしょうがない。

「実は私もそう思ってたんですよ。言えずにずっと悩んでたんだけど…」と言えば、共感が生まれるかもしれない。わかんないですよね。

 

自分が「ただ、する」ことで生まれる反応は誰にもコントロールできないじゃないですか。

それをコントロールしようとするから、なんか難しくなってしまう。

 

僕たちビズクリエイトは、感謝して、感激してもらえるまで考え抜いて、感動が生まれるまで温かく寄り添う。

僕自身はその見本となって、期待を押し付けず、信じぬいて、支える。

それをただ、する。

 

そういう日々の積み重ねの先に、お客さんが何かに挑戦したり、誰かと絆を深めたり、何処かにチャンスを見出したり、ありのままの自分を表現できたりする瞬間がある。

そう信じて、これからも進んで行きます。

 

【編集後記】
ビズクリエイト社長・渡辺哲也さんの創業から現在に至る経歴を辿り、全5回に分けてお送りした今回のインタビュー。人と人が、どのように関係をつくり、そうして生まれた繋がりをどう育て、広げていくのか。ご自身の経験を元にした貴重なお話を伺うことができました。本WEBマガジンも、メルマガやステップメールという枠組みにとらわれず、それらを通じてどのように人との絆を育てていくか、にこだわっていきたいと思います。
渡辺さん、インタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。