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前半に引き続き、共感文章コンサルタント・中尾ミカ様から、人の心を動かす文章の書き方について伺います。後半のテーマは、共感文章を書く上でのトレーニング方法です。

前半の記事はこちらから、お読みいただけます。


あなたのメールを読んでくれるのはどんな人?

 

中尾さんは、イベントやオンライン授業などのサービスを展開していくにあたって、メルマガを使っていらっしゃるとのこと。 メルマガを使い始めたきっかけは、なにかあったんですか?

会社から独立した当初、やり取りする相手のほとんどがマスコミの皆様でした。なので、自分から集客のためにメルマガを不特定多数に向けて出すというようなことはしていなかったんです。

共感文章コンサルタントの一環として、お客様のメルマガを添削したり代わりに執筆するというような形から入りました。少し珍しいケースかもしれません。

今ではBtoCで自分のサービスを展開していくにあたって、自分から発信するためにメルマガを使うようになったんですが、メルマガの「リスト」が1つの生命線なんだなっていうのをすごく感じています。

私は「顧客リスト」=「幸せにしたい人リスト」だと思っています。

 

素敵な表現ですね! 中尾さんは「幸せにしたい人リスト」をどうやって作り、育ててきたんでしょうか?

「メルマガ登録無料です」なんて言っても、ほとんど登録していただけないじゃないですか。メールフォルダを開けたら、メールがわんさか並んで、それもほとんどがメルマガで。食傷気味なんですよね、胸焼けしてるんですよ。

 

ぶっちゃけ、いきなり「メルマガを読もう!」なんて気にはならないですよね、誰も。

となると、なかなか登録者が集まらないってなった時には、SNSとか使うことになると思います。でもそれだと、誰が見てくださってるかわからない、という状態になりますよね。

自分の大切な個人情報を差し出してまでメルマガを読んでくださる方というのは、大変なハードルを越えて来てくださっている方。

最初から手当たり次第にメルマガを出しても読者は増えないというのは分かっていました。

だから、SNSで発信→ステップメール登録→メルマガを読んでもらうという導線を設計しました。

 

ステップメールに興味を持ってもらうためには

ステップメールに興味を持つ方は多いと思うのですが、「実際にどう作ればいいのか分からない」という悩みがありますよね。

はじめの一歩は、まずステップメールがどういうものかを理解をすることですね。

メルマガとステップメールの違いをよく聞かれるのですが。私はよく「メルマガ=単発ドラマ」「ステップメール=連続ドラマ」だと思ってくださいと、説明しています。

こんな経験はないですか? 最初、何となく見始めたドラマに徐々にはまって、最終回あたりでは主人公の役を演じていた俳優さんを、すっかり好きになっていた…なんてこと。
ステップメールも、これと同じ効果をもたらします。

つまり、複数回接触する間に、読む人を惹きつけ、ファンにさせてしまうくらいのパワーがあるということなんです。

 

とはいえ、読者を惹きつけるためには、内容を充実させることが必要です。
そのために次にやるのが、ステップメールの設計図づくり

 

【ステップメールの設計図をつくる手順】

  1. 『誰に、何を伝えるか』を決める
  2. ステップメール全体のテーマ(何を伝えるか)を決める
  3. 各メールのテーマを決める

ステップメールは複数のメールで構成されます。
全部通して読んだ際に、「おもしろいし、ためになった」と思ってもらえる内容になっていること。そして、各メール一通一通にも、「これを知ることができて良かった」という「お得感」がしっかりと入っていること。

この2つがとても大事です。

 

これもドラマに例えるなら、

「綾野剛主演のドラマ『コウノドリ』、いいドラマだよな~。今週の第5話も泣けたなあ。来週も楽しみだな」という感覚と似ていますね。

ステップメールの構成を『シナリオ』と表現しますが、正にドラマのシナリオをつくる気持ちで作成するといいと思います。

 

「全体」と「一通一通」、それぞれにきちんと役割を持たせる、ということですね

その通りです。

そして、書き終えたら終わり、ではありません。読者になってほしい方たちに出会うための「入り口」と、読んだ後に読者を導く「出口」を用意しておく必要があります。

いま読者さんと出会える最も広い間口としてSNSがありますよね。

まずは、SNSで出会った方にステップメールを通して興味を持っていただく。メールアドレスのリストができたら、メルマガに登録していただいたり、セミナーに招待したり、コンサルをさせていただいたりする。

どの形でも、必ず入口と出口の定まったビジネスモデルとして成立していないと、ステップメールは全く機能しないんですね。

私のところにもたまに、「ステップメールを途中まで作ったはいいが、自分はそこからどうすればいいのか」「作ったところでどうなるのかが分からなくなった」という方がご相談にいらっしゃることがあるんです。「なんてこと!」って感じ。

ステップメールを作ったら、まず間口を広げて発信をしていくのが大切です。そして、ステップメールを読んでもらった方をどの出口に導くか、もきちんと固めておく必要があります。出口が決まっていないと、そこで縁が切れてしまいますよね。

 

こういった書き手・読み手の関係性は、段階的に深まっていくものなんです。恋愛に例えてみましょう。SNSはいわゆる出会いの場。合コンとかですね。

ステップメールを通じて一度デートをする。デートの最後に、次回以降のオファーをする。そして、また会うかどうか?を判断して、次の関係性を考えるといった具合です。

だから解除は、ある意味必要なことなんですよね。合わないなと思った方が去っていくのはしょうがないことなんです。

大事なのは新陳代謝がきちんとあること。新しく入ってくる方が常にいて、入り口と出口が機能していることなんです。

 

「ロジカル筋」と「喜怒哀楽キュン筋」のトレーニングが必要です

 人に伝わる文章を書くには、ある程度のスキルやテクニックが必要かと思います。中尾さんがいつも意識していらっしゃることは何かありますか?

共感文章について「トレーニング」と表現しているように、文章を書く力をつけるには、鍛える筋肉が2つあるんです。

私はそれを「ロジカル筋」と「共感筋」と呼んでいます。

 

「ロジカル筋」は「何をどんな順番で伝えるか」という文章構造の部分です。
これは設計図であり骨組みなので、トレーニングが必須です。

設計図には望ましい書き方がありますし、目的に向けた正しいアプローチがあります。まず、これを作れる筋肉をつけないと文章は書けません。

設計が大切とはいっても、ただ設計図が存在していればいいというわけじゃないですよね。家の場合でも柱と床と壁だけあって中ががらんとしていては、誰も住みたいとは思わない。

だからそれを素敵に味付けていかないと。どんなソファーをどこに置こうか、どんな照明をどうやって飾ろうか…。この味付けをするのに「共感筋」の力が必要なんです。

 

「共感筋」は別名「喜怒哀楽キュン筋」とも呼んでいるんです(笑)

ほんと「キュン」って誰が考えたんでしょうね!

切ない時にもキュンってなるし、かわいいものを見てたまんないって時にもキュンってなるし「考えた人天才!!」って、いつも思います。

喜怒哀楽どれにも入らない感情でも心が動いたときは、「キュン」なんですよ。

 

女性が何を見ても可愛いって言っちゃうのって、「キュン」に刺さってたんですね!?

なんでも可愛いって言うなよって思ってたでしょ(笑)

繊細で敏感なんです「キュン」は。

キュン筋のトレーニングをするには?

もちろん心を動かすテクニックも色々ありますよ。

例えば一つの大きな技術として「ストーリー」を使うものがあります。

 

ストーリーというのは、具体的にどういった手法なんですか?

私がこの前のセミナーでも紹介したのは「再現VTRフォーマット」というものですね。

テレビでは“司会者が口頭で説明すればいいじゃん”っていうようなことを、わざわざVTRにしていますよね。

あれは、印象に残るようにするためにVTRをわざわざ作ってるんです。文章でも同じ効果を狙いましょう。ストーリー仕立てで臨場感のある再現VTRを作るようにして文章を作ると、印象に残りやすいんです。

 

ストーリー化のテクニックには。他にも色々とありますよ。自分を自己開示してキャラクター化するであったり、例え話を使うのもそうですね。

また、さっきの「喜怒哀楽キュン」みたいに、オリジナリティがあって耳馴染みはないんだけれども、説明を聞くと「ああ、あれね!」ってピンとくるようなキーワードを使うのもテクニックの1つですね。

相手の頭に浮かびやすい映像やストーリーを仕立てたり、相手を引っ張り込むフックを作って「?」を起こさせる。こうすることで、次の行へ次の行へと読み進めていただくようなテクニックは確かに存在します。

ただ、テクニックをどれだけ上手く使えていたとしても、そのテクニックが相手のグッとくるものでないなら意味がないですよ。

 

WEB上のブログやメルマガだと、正論や主張を一段上から語っているような文章をよく目にしますよね。「〜べきである」「〜をやってみてほしい」のような。

きっと純粋にアドバイスをしてあげたい気持ちで書いていらっしゃるのだと思います。でも、文章って「あったかさ」が上手く伝わらないから!

特にSNSやステップメールといったような入り口の部分だとまだ値踏みされている状態です。「あんた誰?」って。

入り口のシーンでは、「どれだけ相手の気持ちを掴もうとするか」それが一番大事ですよね。

「相手はどんなことに興味があるか」「そんな相手にどんなことをどんな風に伝えればいいか」これを考えた方がいいと私は思います。

 

どんな書き方がいいのかというのは、相手が誰か? どんなテーマか? によって変わってきます。

だから、あくまでも小手先のテクニックよりも前に「誰に何を伝えたいか」に沿うことが大事です。

 

ロジカル筋のトレーニングをするには?

ロジカル筋はどうやって鍛えればいいのでしょうか?

書き始めたばかり方だと特に、「自分に何が書けるか」という制限があります。その制限に合わせて書いていくと、書ける内容がどんどん変わっていってしまうじゃないですか。

ズレがないようにしてくださいと言っても、そもそもズレがあることに気づけないわけですし。

 

身に覚えがあります…(笑)

そういう時は、全体の構成をQ&A形式で整理してみてください。

相手が疑問に思うであろうポイントをおさえながら、きちんと自分に解答があるかどうかを確認する意味でも、有効な書き方ですね。

そして、「この文章を読み終わった人は、こう言うだろう」という姿を思い浮かべてみてください。なるべく現実的に思い描けたら、言葉で書いてみましょう。

できれば、実際にお客さんに「なにか質問はありますか?」と聞いてみるのがベストです。出てきた質問トップ5に対する答えを書いてみてください。

 

とにかく一人でも多くのお客さんと話をして、意見を聞くのが大切です。その上で、その意見や疑問に答えられるように考えましょう。自分勝手な妄想は禁止です! そうじゃないと自己満足になりますもんね。

 

相手へのQ&Aサービスとして文章を作っていくんですね。

もちろん、自分の心が震えないものを書いたところで、人の心を震わせることは絶対にできません。

だからこそ、自分の心が「喜怒哀楽キュン」と来た部分を照れずに書く、てらわずに書く、それはとっても大事です。

相手に伝わる「喜怒哀楽キュン」かどうか、それをちゃんと表現できているか、にこだわるのが大前提。

 

となると、やっぱり人に見せて、どう伝わってるか、を自分で探りにいかないといけません。

 

ロジカル筋・共感筋という話をしましたが、本当にトレーニング次第でどんどん鍛えられるんです。

ダイエットとかでも「太った?」って言われてグサッとこない限り始めないし、続かないじゃないですか。まず、何よりも人に見せて人から反応をもらうことが大切です。

そこから先は、筋トレですね。もちろん、書けるポイントとかはお教えして、できるだけ掴んでもらえるようにします。でも、それはあくまで最短コースの筋トレ方法レクチャー。決してドーピングではありません。

私は、「この筋肉をこうやって動かすと、こういう力がつきますよ」というのを教えているだけです。そこから先は、ご本人が地道に筋トレをしていただきます。

 

相手に寄り添って、相手の気持ちを汲み取り、相手の心を動かす。

言葉にはそういう力があるんです。

 

結局、言葉なんです。

中尾さんがこれから大切にしていきたい価値観ってどんなものですか。

「共感文章って何ですか」って、よく聞かれます。私は、「人の心を動かし、人の心に響く文章で、人を動かす力がある、そういう文章」という風に考えています。

 

よく言われる言葉に、「人は正論では動かない」というのがありますよね。

これも本当にその通りで、小難しいことや「そりゃそうですよね」となるようなことを淡々と書いても、「読みましたよ、はいはい」と言われて、誰も動いてはくれないんですよね。

 

人が動くのは心を動かされたときです。それが文章で可能なんだということを伝えていきたいです。

要するに言葉の技術なんです。

誰かに何かを伝えたい時は言葉を使わないといけません。文章もそうですし、会話もそうですし、検索にも使われます。

 

言葉が全ての肝なんですよね。かるーく伝わるだけの言葉なのか、書き手の想いが伝わってくる揺さぶられるような言葉なのか。これによって、その先の出来事は大きく大きく変わります。

自分が何かをするんだ、と思った時には誰かを動かす必要があります。そのために一番大事なのは言葉なんです。

 

今日のお話から、言葉の力を感じました。文章の書き方を考えるのは、伝え方を考えることそのものなんですね。

 

メルマガであれ、ステップメールであれ、文章を相手に届けるための手段ですから、中身の文章・言葉を、私は相手に届くように必死で考えて書きます。

届ける相手のこと、届けたい内容、届けるための表現をきちんと考えて。それでもきっと伝わらないことはありますから、会って話せる相手に聞けばいいんですよ。

 

「この言葉は届きましたか?」って。

 


【インタビュー協力:中尾ミカ】
株式会社キャリアスタイル・代表取締役(http://careerstyle.jp/)。顧客の心に響く【共感文章作成】と、「書ける人」を育てる【共感文章コンサルティング】を提供し、独自の共感文章メソッド書けない悩みを解決する。

 

【編集後記】
メルマガもステップメールも、言葉を伝えるためのもの。言葉は相手に気持ちや想いを伝えるためのもの。相手の気持ちを動かすような言葉を、文章を書いていくために、忘れてはいけない視点をお話ししていただきました。ご協力いただいた中尾ミカ様、本当にありがとうございました。